さあ出かけよう 君は信じてくれるはずさ

先日、大学からの友人にTRICERATOPSのCDを貸すことになり、とりあえずオリジナルアルバムを全部渡しておけばいいだろうと用意してみたら、アルバムの数が10枚になり、そこでしみじみと「長いことトライセラの音楽と生きてきたんだな」と実感したのです。

ライブに行って、最新曲とともに昔の楽曲も演奏されると「懐かしいな〜」って気持ちと、その曲が発表された当時の感覚が一緒にやって来て、盛り上がることもあれば少しメランコリックになったりする。
トライセラがきっかけになって、どんどんいろんなアーティストを知っては好きになったけど、彼らの音楽に対する自分の愛情が一度も途切れることなく続いたのはトライセラだけなんだよね。

そして、これからもこの愛情は途切れることはないという確信もある。


何が私をここまで惹きつけるのか、詳しい理由は分からないけど、例えばこんな曲の歌詞がある。

「一歩ずつ行くんで急がせないでくれよ その代わりに君をまた喜ばせられるんだ」

これは3枚目のアルバム「A Film About The Blues」収録の「Another Travel」という曲の一節。
このアルバムが発売された年、トライセラの曲が某清涼飲料水のCMに起用されたのがきっかけとなり、メディアの露出が増え、ついには憧れの武道館ライブを成し遂げている。
当時の私としては、トライセラの音楽が世の中に広まっていくのがとても誇らしくて嬉しかったけど、当の本人たちは戸惑うことも多かったらしく、その結果、このアルバムはそういう彼らの苦悩が見え隠れしている作品になった。
発売当時は「スゴイカッコいい曲ばかり!」って単純に思ってたけど、今振り返るとなんていうか全体的にトゲトゲしてて、もっとファン層を広げていこうとしていた時期なのにこんな攻撃的でよかったのかな〜って思うくらい。

ただ「Another Travel」の中で唱さんは「周りがどんなに変わろうと自分は好きな音楽のスタイルを貫くよ、それは自分たちの音楽を愛してくれる人たちと一緒にね」という強くて優しい意志を歌ってくれた。

そのメッセージを胸に私は今日まで、そして明日からも彼らの音楽と共に生きるのだろう。目に見える約束をしたわけではないけど、彼らに対する「愛情」と「信頼」があれば、それで十分。
年を重ねても毎年ライブに行って、演奏される曲の1つひとつに胸躍らせる自分でいようと思います。